常に成長できる環境を!ニトリで新しい商品を生み出し続ける女性バイヤーにインタビュー
「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズでおなじみのニトリ。
大学生や、社会人になってすぐの一人暮らしでお世話になってる人も多いのでは?
今回はそんなニトリで新商品の開発をされている女性バイヤーに商品が出来るまでの裏側をインタビューさせていただきました。
意外と知られていない、ニトリの色々な制度についてのお話も……!チェック必須です!
京都大学工学部在学中、リフォーム会社にてアルバイトをする傍ら、カラーコーディネーターなどの資格を取得。大学卒業後は株式会社ニトリホールディングスに入社し、約2年半店舗での勤務を経験。その後は新卒採用部で採用に携わったり、商品部にてリサーチャーやデリバリーに携わるなど様々な部署にてご活躍。現在はバイヤーとして、主に新商品の企画を担当している。
目次
自分の作った商品を街中で見かけることが、一番のやりがい!
ーー今日はよろしくお願いします!現在バイヤーをされているとのことですが、具体的にどんなお仕事をされているんですか?
バイヤーとは、新しい商品の企画から、どのようにお店で販売するかまで含めて、商品に関わるすべてを任されるお仕事です。
市場の動向やトレンドを把握しながら、お客様のニーズをくみ取って商品企画を立案するのですが、私はその中でもニトリで今まで扱ったことがない新品種の商品を担当しています。
一番最近取り組んだものでいうと、7月1日からのレジ袋有料化に合わせて、ニトリオリジナルのマイバックを手がけましたね。おかげ様で、予想以上の反響をいただいています。
ーー「バイヤー」のイメージって、商品を仕入れするイメージだったんですが、企画から担当されるんですね。
確かに、一般的なバイヤーのイメージとは少し違うかもしれないですね。
ニトリってインテリアの販売のイメージが強いと思うのですが、実は『製造物流IT小売業』というビジネスモデルで、単に商品を売るだけではなく、原材料の調達や物流システム、ITシステムの開発、広告宣伝まで自社で行っているんです。
だからこそ、全国のお客様の声を取り入れた商品を作って届けることを大切にしていて、「こういう商品必要になってきてるよね」とか、「生活を提案する企業として、こういう商品もいるよね」というところから商品企画をすることもあります。
ーー商品の企画をする際に、意識されていることはありますか?
自分が、「この商品をこの値段で買うか」っていうのは必ず考えるようにしてます。
普通のメーカーだと商品の開発後に販売価格を決めるんですが、ニトリでは「こういう商品をいくらで売りたい」と先に販売価格を決めちゃうんです。
だから例えば、他社が1,000円で販売しているものを、ニトリでは599円で販売しようと思うと、機能や原材料を見直す必要が出てきます。
でも、そこであまりに価格を重視しすぎて「これなら1000円の方を買うな。」と思ってしまう商品だと意味がないんですよ。
自分のそういった感覚は一つの基準として大切にしています。
ーー先に販売価格を決めて企画にあたるから、「お、ねだん以上。」な商品がたくさん生み出されているんですね!
バイヤーって、直接お客様と触れ合うことの少ない職種だと思うのですが、やりがいはどんな時に感じられますか?
街で、私が企画した商品を使っている人を見かけたときですね!
私は傘とかエコバッグ、ピクニック用品など外で使うものを担当していることが多いのですが、初めて自分の企画した傘を使ってくれている人を見た時は感動しました!
売上として毎日数字は見ているので、何個売れているかっていうのはもちろん把握はしています。
でも、実際に使っている人を見かけたときの感動は全然違いますね!
ニトリの店舗で購入してくれている人を見るのも嬉しいんですが、ふとした瞬間に街で見かけるのは、買っただけじゃなくて、本当に使ってくれてる!と思って、すごく励みになります。
ーー自分の企画したものが、誰かの役に立っているって思えますね。
今現在担当されている商品には、どんなものがあるのでしょうか?
実は、今年ニトリからスキンケアブランド「GUARDIO(ガーディオ)」を立ち上げたのですが、その担当をしています!
クレンジングや日焼け止め、化粧水など、成分にすごくこだわっているのですが、ニトリらしく手軽に取り入れられる価格帯になっています。
ーーガーディオ、Instagramで見ました!
プチプラっぽくない、シンプルなパッケージがすごくおしゃれですよね。
その部分にとてもこだわっていたので、嬉しいです!ありがとうございます!
ドラッグストアで買えるスキンケア商品って、パッケージの主張が強すぎてインテリアに馴染まなかったり、かといってパッケージがおしゃれなものを買うと価格が高くて買い続けるのが難しかったりすると思うんですよね。
なので、その良いとこ取りをしたいなという思いがありました!
ーーそれすごく分かります!
「ヒアルロン酸配合」とか大きく書かれていると生活感が出て、どう頑張っても洗面所のあたりがおしゃれにできないの悩みだったんですよね。
かといって、かわいいケースに入れ替えるのは衛生的に怖いし。
このパッケージなら、見えるところに置いてても、大丈夫ですね!
ありがとうございます。
化粧水、クレンジング、日焼け止めも同じデザインで統一感があるのでぜひ使ってみてください!
配転教育で、常に自分の成長を感じられる環境だった
ーー現在はバイヤーとして商品企画をされていらっしゃいますが、入社当初から今の部署だったんですか?
いえ、ニトリの場合、入社したらまず店舗勤務から始まります。
店舗勤務では、お客様の対応はもちろん、売り場の管理や、パートさんの教育をしていました。
ーー入社1年目から、教育も担当されるんですか!
店舗で働くうえで、何か意識されていたことはありましたか?
自分がいなくなった後でも、そのお店が今まで通り動くような仕組みづくりを意識して行っていました。
入社してすぐは業務に慣れることに手いっぱいだったんですが、ある程度自分のことは自分で出来るようになってきたなと思ったとき、店長から言われたことがあるんです。
「君の仕事が早いことは分かってる。でもそれだけで終わっているようじゃダメだ。」
この言葉で意識ががらっと変わりましたね。
どうやったらみんなが仕事しやすいのかを考えながらマニュアル化したり、売り場の魅せ方を変えたり。
自分が頑張って作業効率を上げたとしても、自分が居なくなって元に戻ったら意味ないなと考えるようになり、ひとりでにそうなる仕組づくりに力をいれていました。
ーー店舗業務ってお客様に接客をするだけじゃないんですね。
入ってすぐそんなこと考えられていたわけではないですよ!
1年目の頃は、「毎日お客さんと喋れて、楽しいー!」って思ってました。笑
ーーそんな「楽しい」と思えた店舗業務から、どうして今の商品企画に異動されたんですか?
ニトリには『配転教育』っていう制度があって、数年ごとに新しい部署に異動になるんです。
私も店舗勤務や商品企画以外にも色々な業務を経験しました!
2年半店舗で働いた後、新卒採用部で採用に1年ほど携わり、そのあとは今の商品部内で3つのポジションを経験しました。
最初はリサーチャーといって、他の競合店を順番に回り、ニトリの商品との価格やスペックの違いを調査し、今後の商品開発へ活かすところ。
その次がデリバリ―で、半年後にいくつ商品が売れるかという販売予測を立てることで、各工場にいつ頃どの商品をいくつ欲しいとオーダーをしていく仕事をしていました。
その後、今のバイヤーとして商品企画をする部署にうつった形です。
【参照】配転教育について
ーーすべて社内で行われているからこそ、社内異動でも転職したくらい仕事内容が変わりそうですね!
色んな業務に携われることは楽しそうだとは思うのですが、正直そんなにガラッと変わると大変じゃないですか……?
実はあんまり大変だと思ったことはなくて……。むしろ、ずっと同じ仕事できないなって思ってたんですよね。
同じ仕事していると、ある程度やり方も分かってきて、手を抜いちゃうタイプなので……。笑
私は成長ってlog関数みたいなイメージで考えていて、新しいことを始めた瞬間が一番成長の度合いもスピードも大きいと思ってるんです。
だから、常に新しいことにチャレンジできるのは、自分の成長を感じられる瞬間が多くて、すごく楽しいですね!
ーー確かに、幅広く携わることで、自分の知らなかった得意なことにも出会えそうですね!
配転教育は個人だけではなく、会社全体にもメリットがある制度なんでしょうか?
社員全員がいろんな部署を経験しているので、会社全体としての視野を持って考えられる人が多いように思います。
自分が実際一回でも経験したことのある部署だと、こうしたらきっと仕事やりやすいだろうなとか、こうした方がいいだろうなって考えることが出来るんですよ。
私も店舗を経験したので、例えばパッケージ一つとっても、こうした方が店舗では出しやすいだろうなとか、こうした方がお客様が見やすいだろうなっていう視点で考えることが出来るので、配点教育は俯瞰的な視野を持ったり、全社最適での考え方に活きているように思いますね。
ーー教育に力を入れることで、会社の一体感が増しているんですね。
そうですね、実際教育にはすごく力を入れていて、配転教育以外にも社員全員が参加するアメリカセミナーなどもあります。
毎年1200名くらいの社員がアメリカに行き、現地のチェーンストアという小売業の店舗を視察に行って、自社の課題に気付く機会を作っています。
全社員数が5500名なので、3~4年に1度回ってくる計算なんですが、商品企画の部署とかだけではなく、経理とか商品作りに直接は携わらない人も含めて全員行ってるんですよ!
普通は部署が限られると思うので、結構珍しい取り組みだと思います。
でも、こういった研修を全社員で行ってるからこそ、社員一人一人がみんなでこの会社を良くしていくって意識が強いように思いますね。
女性ならではの感性を生かせる会社を目指して
ーーインテリアや日用品を扱ってらっしゃいますし、ニトリさんではやっぱり女性社員の方が多いのでしょうか?
実は、女性社員はまだ全体の3割しかいないんですよ。
でも、だからこそ女性にチャンスがある会社だなって思っています!
ニトリのお客様って8割近くが女性のお客様で、ご家族で来ても最後の決定権は女性が持っているっていうことがよくあるんです。
なので女性目線の商品作りとか、売り場作りとか、広告作りとか、そういったものがすごく求められていて。
会社としてももっと女性に活躍してほしいっていう思いが強くあるので、若い女性社員が企画などの部署に積極的に入れられたり、働きやすくするための制度を整えていたりします。
ーー2019年度のホワイト企業アワードで、福利厚生部門の受賞をされていると伺いました!
働きやすくするための制度とは具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?
育休・産休などの制度はもちろんですが、一番利用度が高いのは短時間勤務制度ですかね。
あとは、小さなお子さんがいる場合、日祝にお子様を預ける費用を会社が負担する制度もあったり。
その他には、リフレッシュ休暇と言って長期休みを取れる制度なんかもありますね。
夏に11日間、冬に9日間連続した休暇を取ることができて、時期も結構柔軟に調整ができるので、安く海外旅行に行けたりとか、趣味に没頭したりとか、その名の通りリフレッシュしてみんな戻ってきます!
▲同期でハワイに旅行に行かれたりもしたそう
ーーたくさんの制度を整えられているんですね!
そうですね、制度が整えられているのもそうですし、実際に活用されやすい工夫もされているのかなって思っています。
例えば、ニトリでは『ワークライフバランスのための制度BOOK』という冊子を全社員に配っているんですよ。
いくら良い制度があっても、知らなければ使うことは出来ないので、まずはこういったものがあるよ!と社内で広めていくために作られたそうで。
しかも一度作って終わりではなく、制度や法令が変わるたびに、内容を正して発行されています。
ーー制度を整えた後も、会社全体できちんとフォローされている姿勢が素晴らしいですね!
最後に、女性としての視点を活かして、今後取り組みたいものについて教えてください。
直近で言うと、商品部の中のコーディネート企画という部署にいきたいなって思ってます。
ニトリではコーディネートの楽しさをお客様に伝えているんですけど、全然浸透しないんですよね。
私の中では、こうしたらいいのにっていうアイデアはたくさんあるので、それを形にしていきたいなと思っています。
最終的にやりたいことでいうと、業務改革室という部署に行きたいですね。
色んな部署でやっている仕事をいかに効率化させるかということを考える部署で、店舗勤務の頃からそういった仕組み化や効率化に興味があったので取り組んでみたいです。
今の仕事の中でもまだまだ無駄な作業的業務ってたくさんあると感じていて。
そういったものをIT化したり、仕組み化することで、無駄を省いて社員みんなの時間や労力をクリエイティブな仕事に費やせば、もっともっとすごいことが出来ると思うんです!
ーー「お、ねだん以上。」の価値を生み出すためにはそういったクリエイティブさが重要なんですね。
私たちの手に届く商品の裏側に、こんなにもたくさんのお仕事があったんだなと気づくことが出来ました!
本日はありがとうございました。
まとめ
インテリアを扱うニトリさんだからできる、生活に根付いた新品種の商品企画がとても魅力的でした!
お客様と直接関われる経験が入社後にあるからこそ、お客様のことを様々な視点から考えた商品を開発できているのかなと思います。
今回の取材の中からいろいろな経験を積むことがいかに大切か、改めて気付かされたように感じました。
また、インテリアの販売のイメージが強かったので、働きやすさに関する制度がこんなにも豊富なのも意外でした!
教育制度も整っていて、その制度を活用しながら、現状維持に落ち着かず、常に成長し続けられる環境に飛び込まれている姿勢がとてもかっこいいなと思いました。
ニトリさんでは他の社員の方々も様々な挑戦をされているそう。
「どんな人がいるの?」「どんな働き方をしているの?」と気になった方は、下記をチェック!
【中心事業】
・家具、インテリア用品(ホームファニシング商品)の企画、販売
・新築住宅のコーディネート
・海外輸入品、海外開発商品の販売事業
【本社】北海道札幌市
ニトリみたいなホワイトな会社を知りたい!という人におすすめ
企業がホワイトなのか、ブラックなのかというのは感覚的な部分が多く、明確な基準がないため人によって認識が違うことがありました。
そんな中、ホワイト企業認定では70以上の設問からなる7つの指標を設定することで、客観的な評価を行っています。
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▶取材メンバー
京都大学総合人間学部3回生。人間科学系、映画論専攻。映画とディズニーが大好きで、おすすめの映画は「ジュリエットからの手紙」です。学生の間に世界の全ディズニーパークに行くのが目標!