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企業選びの軸として注目の『CSR活動』とは?アデランスの広報担当者に聞いてみた

就職活動で、特に悩むのが企業選び。
「どの企業を受けたらいいのか……」、「同じ業界だと企業ごとの違いが分からない」など悩みは尽きませんよね。

「長く仕事をしていきたい」という点を重視して企業を選びたいと思ったとき、あなたは企業のどこを見て選んでいますか?
福利厚生の充実度、決算書などの財務面、業界の伸び率など様々な指標がありますが、キャリアエール編集部では学生に意外と知られていない指標『CSR活動』に着目しています。
今回は、アデランスのCSRを担当されている玉橋さんに、「CSR活動とは何か」「CSR活動を見る際のポイント」について、就活生時代〜社会人デビュー時代のお話と合わせて伺いました。

学生にあまり馴染みのない指標だからこそ、他の人よりも一歩リードした企業選びができるかも?!

玉橋 美咲さん
慶應義塾大学商学部卒業。新卒として株式会社アデランスに入社し、海外事業部にて海外拠点と携わる仕事を担当。その後CSR広報室に異動し、『愛のチャリティキャンペーン』など多くのCSR活動に携わる。私生活では結婚を機に、東京の本社から中部地方に引っ越しをされ、新たにサテライトオフィスを立ち上げられるなど、仕事もプライベートも大切にされている。

就活生にも注目されている『CSR活動』って?

--本日はよろしくお願いします!
本当に申し訳ないんですが、CSR活動って
正直全くなじみがなくて…。
一体どういう活動なのでしょうか?

学生さんだと知らない方もいますよね!
CSR活動とは『Corporate Social Responsibility』の略で、直訳すると『企業の社会的責任』という意味になります。

通常、企業の目的は営業活動を通して利益を上げることですが、当然ながら”利益を上げれば何をしてもよい”というわけではないですよね。
営業活動を通して社会に与える影響に企業自身が責任を持ち、社会や環境、お客様といった企業が関わる部分に対してプラスになるようなことを行うのがCSR活動です。

具体的には、環境保全活動やボランティア、寄付活動などの社会貢献を行う企業が多いですね。

--社会貢献活動と言われると、なんとなくイメージが沸きました。
CSR活動が良いものであることは分かるんですが、どうして企業選びの基準になりえるのでしょうか?

CSR活動を通して、企業の大切にしている考えが見られたり、今後の成長性を見ることが出来るからです。

例えば、環境汚染問題やエネルギー資源の不足問題、子供や女性の人権問題など、社会が発展していく中で出てきた問題ってたくさんありますよね。
『持続可能な開発』って最近よく聞く言葉だと思うのですが、今後も企業が成長を続けていこうと思うと、避けては通れない問題です。
そもそも、「利益第一!環境なんて二の次だ!」というような企業は、周りから良しとされないですよね。

だからこそ、自分たちが伸びていくだけではなくて、自分たちを取り囲む社会や環境も含めて発展していくことが重要です。
なのでむしろ、きちんとしたCSR活動をしていないところは、今後長い目で見ると発展していくことが難しいんじゃないかなと思います。

あとは単純に、しっかり利益を出している企業じゃないと、CSR活動として社会に還元ができないので、そういった部分でも安定性というのは見れるんじゃないでしょうか。

--ただのボランティアではないんですね。
企業を見る際に、CSR活動に注目するようにします!
ちなみに、
アデランスではどういったCSR活動をされているんですか?

そもそも、私たちはウィッグの提供を中心とした総合毛髪関連事業を行っています。
それに関連するようなCSR活動をいろいろしているのですが、例えば『愛のチャリティ』という活動があります。
「お子さまの髪の悩みを心の傷にしないように」というテーマで、病気やけがで髪の毛を無くしてしまった3〜15歳のお子さまにウィッグをプレゼントする活動です。

あとは、『フォンテーヌの森キャンペーン』と言って、ご不要になったウィッグの回収と環境保全活動を結ぶCSR活動を2009年から行っています。ご不要ウィッグを店舗にお持ちいただくとクーポン券をお渡ししており、そのクーポン券で新しいウィッグをご購入されると、ウィッグ1点につき100円を環境保全活動に充てさせていただきます。
お客様がいらっしゃってこそ成り立つ、お客様を一緒に取り組むCSR活動です。
この活動を通して山梨県に1200本以上の木を植えました。

また、2016年からは東日本大震災で津波が来た東北地域に桜を植えたり、2019年からは静岡県立森林公園の赤松林再生活動に取り組んだりしています。東北と静岡での植樹には、現地の社員も一緒になって参加しました。

これ以外にも、大阪大学や大分大学などの教育機関と産学連携で毛髪に関する研究を行うことで、社会に私たちが持っている経験や知見を還元していくような活動もしています。


▲2020年1月に静岡県立森林公園で行った植樹会。管轄する中京営業部のスタッフが中心となり実施
【参考】CSR小冊子「笑顔のために」

--たくさんCSR活動されているんですね。
どうしてアデランスでは、それほどCSR活動に力を入れられているんですか?

私たちの根底に、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の『三方よし※』という精神があるからです。
※自分たちの利益ばかりを求めるのではなく、多くの人に喜ばれるものを提供することで信頼してもらい、その利益を持って地域に橋や学校を建設するなど、世間に貢献をする江戸時代の近江商人が大切にしていた精神

私たちもこの考えを大切にしていて、社員・お客様・地域に対しての三方よしを大切にしています。

アデランスでは創業当初からずっとこういった活動を行っていて、例えば『愛のチャリティ』はもう40年以上行っています。
ただ売り上げを上げて会社が儲かれば良いという時代ではなくなってくるかもしれません。そのため、様々な人から信頼される会社でありたいと思っています。


【引用】アデランスCSR活動

--企業側でCSRを行うメリットはなんだと思われますか?

一番は先に話した、「社会からの信頼」を獲得できるという点かなと思います。
あとは弊社の場合だと、それ以外に技術向上というメリットもありますね。

たとえば、『売上金の寄付』などであれば、どこの企業でも出来ちゃうと思うんです。
私たちが大切にしているのは、CSR活動を弊社の事業と絡めて行うこと。

例えば、先ほどの『愛のチャリティ』でも、ただウィッグをお子さまに渡して終わりじゃないんです。
既製品のウィッグって大人用の頭のサイズで作られているので、小さい子にはぶかぶかなんですよね。
なので、小さい子用にひとつひとつ手で縫って、うまく調整してから渡していて。
幼稚園くらいのお子さまだと、結構大きな幅を詰めないといけないので難しかったりもするんですが、そういった調整は店舗で働くスタッフが行うので、会社全体の技術向上にも繋がります。

このような形で何かしら事業に絡めたCSR活動を行っています。

あと最近では、少しずつ学生が企業を見る際の基準のひとつにもなりつつあるので、良い人材を見つけるためにもやっていかないといけないと思います。

--玉橋さんはCSR担当とお伺いしていますが、実際に携ってみてどのように感じられましたか?

「やっててよかったな」とやりがいを感じることが多いですね。
『サンタ・スマイル活動』というクリスマスの時期に病院を回ってお子さまにプレゼントを渡したり、一緒にクリスマスの歌を歌ったりする活動を行っています。お子さまが嬉しそうにプレゼントを受け取ってくれて、すごい笑顔になってくれているのを見ると、この活動の意義を肌で実感できますよね……。

また、お子さまにヘアドネーション(髪の寄付)による寄付毛100%のメディカルウィッグをプレゼントするNPO法人JHD&C(ジャーダック)という団体があり、弊社ではウィッグの製作をサポートしています。頭の採寸のために、サロンにご来店されたお子さまとお会いする機会があったのですが、「ウィッグ楽しみ!」「ウィッグを着けて学校に行きたい!」と嬉しそうに話してくれました。そういう様子を見ると「ウィッグには人を救う力があるんだな」と実感しますね。

--ウィッグって外見を変えるだけではないんですね。

そうですね!
小さい子たちが一番、髪の毛がないことに対して深く心に心に傷ついてるんじゃないかと思っているので、ウィッグで少しでも笑顔になってくれたら、働いていてよかったなと思いますね。
ウィッグは、外見を変えるだけでなく、内面にもいい影響を与えるものだと思っています。

志望企業はほぼ全滅。大苦戦した就活で、最終的に大手に内定できたきっかけは…

--アデランスはCSR活動に積極的ですが、玉橋さんは最初からCSR活動を重視して就職活動をされていたのですか?

いいえ、「企業選びでCSR活動注目するといいですよ」と話しておきながら、実は最初は就活の軸も全然定まっていない状態で……笑
ABCクッキングに通っていたり、食べることが好きだったり、部活で栄養について学んだりしていたので、食品メーカーに興味がありました。あとは出身の慶應大学が金融業界に強いところだったのでメガバンクも受けてみようと思ったりとか。
今思うとひどい理由ですよね。笑


▲ABCクッキングは今も通っていらっしゃるそう!

--軸を決める難しさを今痛感しているので、耳が痛いです……笑
今のアデランスとは全然違う業界を見られていたんですね。

実は就活を甘く見すぎてしまって、志望していたところがほぼ全滅してしまったんですよね。
「やりたいこともないし、どうしよう」ってなって初めて、就活の軸を考え直すために自分のこれまでの人生を振り返ることにしました。

大学では中国語を学んでいたんですが、その理由を考えてみたら、親の出張に同伴で海外に行ったり、何か国かホームステイをしていたりと、昔から『海外』に興味があったんだなと気づくことが出来ました。
あとは、小学生の時から大学までずっとバスケットボールをしていたんですけど、よくケガをすることもあったんですよね。
だからケガをした人を助けてくれる職業にも憧れがあって、思い返せば大学受験のときも医療系の大学にも行きたいと思っていたことにも気づけたんです。

そこから就活の軸を『海外』と『医療』に携われる仕事と定めなおして、取り組んでいくようになりました。


▲学生時代に訪れた上海

--自己分析で興味のあることを見つけたのですね。どういった形で自己分析を進めましたか?

ごく普通なのですが……自己分析の本に沿って進めていました。
大体小さい頃の経験から書き進めていくのがマニュアルだと思ったので、親に自分がどんな子だったかを聞いて、自己分析を進めていきました。

--『海外』と『医療』って、あんまりアデランスのイメージと繋がらないのですが……

私も最初は知らなかったんですが、キャリアセンターに「海外と医療に携われる企業はないですか?」と聞いたとき、紹介してくれたのがアデランスでした。
アデランスって、実は海外には19の国と地域に拠点があって、グループ会社も含めると国内外に69社のネットワークがあるんですよ。

あとは、医療事業部という部署があって、抗がん剤治療をされている方や脱毛症疾患のある方に向けた医療用ウィッグの提供などもしていて。
治療中の方にも安心してご来店いただけるように、病院内にバリアフリーのサロンを設けていたりもしています。

--まさに玉橋さんの軸とぴったりあっていたんですね!事業が自分の軸に合っていたこと以外に、入社の決め手などはありましたか?

最後の決め手は『人』でしたね。
採用担当の方の人柄がすごく良かったというのと、他の会社では結構落とすための面接が多かった印象があるんですが、アデランスでは「あなたのことを知りたいです」といった雰囲気で、私のことを出来るだけ知ろうとしてくれたのが伝わってきたんです。
一番個人を見てくれた感じがして、あたたかい人が多い会社なのかなと思えたのが入社の決め手でした。

制度が整っているだけではない、本当の意味での『柔軟な働き方』とは?

--実際に入社されてからは、軸としていた『海外』や『医療』とは関わられているんですか?

入社してすぐの頃は、海外事業部に所属していました。
当時は部署内に海外に赴任される人もいましたが、日本にいるスタッフは海外のグループ会社の経営サポートや売り上げの管理を担当していました。

私はグループ会社のことを勉強したり、台湾と上海のグループ会社向けに医療用ウィッグのサイトの立ち上げを行っていたので、そこに参画してデザイン案を作ったりとか、サイト作成の業者さんとやり取りしたりといった形で海外の方と関わっていましたね。

--1年目からグルーバルな環境で活躍できるって、すごいですね!
現在はどういったお仕事をされているんでしょうか。

今はグループCSR広報室という部署に所属しています。
CSR活動以外にも、社内外に向けた広報やマスコミ対応をメインで担当しています。
マスコミの方にお知らせを発信するプレスリリースの作成や、マスコミからの問い合わせ対応、取材の調整や立ち合い、記者発表会の運営、ホームページの管理などが主な仕事です。

あとは、弊社が50周年を迎える際には、50周年社史や映像の作成にも携わることが出来ました。
またテレビ取材では、タイやフランスでの海外ロケにも同行させてもらいました。海外との関り方は変わってしまいましたが、就活の時に軸としていた「海外」に広報という立場で携わることができています。

広報をやっていると、社外の方とも関わる機会が多くて、小さいお子さまだったり異業種の人と交流できるのはすごく楽しいなと思ってます!

--海外や医療と携わりたいというのは、人との交流だったり、誰かの役に立ちたいという思いが根底にはあるんじゃないかと思うんですが、そう考えると元々考えていなかったという『CSR活動』も、玉橋さんのやりたいことに近いのかもしれないですね。
アデランスで実際に働いてみて感じる会社の良さというのはありますか?

私の経験から感じるのは、柔軟な働き方など、女性や若い社員が活躍しやすい環境にシフトしつつある点でしょうか。
私はもともと東京本社で働いていて、結婚を機に名古屋に引っ越しをしたのですが、元々広報は東京にしかない部署だったんですよね。
それでどうしようと思って「全国に店舗があるように、名古屋でもオフィス出来ないですかね?」と上司に軽く相談してみたら、元々営業部だけあったところにサテライトオフィスのような形で勤務させてもらえるようになったんです!


▲東京本社にいる部署メンバーとは、テレビ会議などを駆使してお仕事されているそう

--ええ、すごいですね!大きな会社ほど社員数も多いし、そういった個人の都合は配慮してくれないイメージでした。

そうですよね、私も話したときは正直無理だろうなあとダメ元でした。笑
制度としてあるわけではなかったので……。
今の人事部長が「そう言うのもありだね!」っていう感じで、たくさんの方の協力のもと実現することが出来ました。
本当に温かい環境だなと改めて思いましたね。

--制度が整っているというよりも、ある意味『柔軟性が高い』会社ですよね。
結婚や出産を経て働かれている女性社員の方は多いんでしょうか?

たくさんいますよ!
二回産休と育休を取ったうえで最近復帰した女性の方とかもいます。
女性用ウィッグをメインに扱っている店舗では、働くスタッフはほぼ女性なんですよね。
本社含めても女性比率は6割以上占めているため、経営陣は「女性が働きやすい環境を整えていきたい」と考えているみたいです。

--女性の活躍が期待されている会社なんですね。
玉橋さんのお話から社員一人一人のことを考えていることが分かって、まさに社員よし・お客様よし・地球環境よしの『三方よし』を大切にされている会社なんだと思いました!
本日はありがとうございました。

まとめ

CSR活動とは企業の社会的責任を指します。
現在の状況を考えると、利益だけを求める会社は生き残ることが出来ず、社会や環境のことにも意識を向けている企業こそ持続的に成長していく『安定した企業』と言えるということが分かりました。

特に今回のアデランスのような、事業と絡めた活動をすることで会社にも恩恵が返ってくるというのは、まさにCSR活動のあるべき姿ですね。安定した企業に入りたいと思っている方は『CSR活動』を確認するのもひとつです!
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今回の取材先:株式会社アデランス
【中心事業】
・毛髪関連事業
・ビューティー&ヘルス事業
・グループ会社の経営管理及びそれに付帯する事業
【本社】東京都新宿区

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取材メンバー

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向井陽菜

同志社大学商学部3回生。佐藤郁哉ゼミ所属。LGBTと企業の関係性や制度について研究しています。ギターが趣味で、高校時代には軽音楽部の全国大会に出場しました!

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河野結布海

同志社大学経済学部2回生。趣味は映画鑑賞と旅行です!是非見てほしい映画は、レア・セドゥ主演の美女と野獣。好きなことは写真を撮りに行ったり美味しいものを食べたりです*最近デザインの勉強始めました!

キャリアエール運営チーム 公式のおしらせなどを行います

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